送別会の金曜日

曇り。
今日は約一週間ぶりの出勤日でもあり、最後の出勤日でもある。
そう、今日をもって、今の会社を退職することと相成った訳です。
なので、久しぶりに会社へ出勤(?)する。


入社してから、長かったようで短かったこの4年間ちょっと、振り返るといろんな事が思い出される。
それは、人間に対する尊敬の念であったり、卑劣に見下した感でもあり、負けん気であったり、または挫折感であったり、劣等感であったり優越感であったり、純粋にその期間を楽しんだ思い出であったり、思い出したくもない思い出もあったり、いろんな記憶が後からどんどん湧いてくる。


そんな事を考えながら、社内での近辺整理を行う。
今まで必死になって作製したプロジェクトの仕様書やら、操作説明書やらの紙媒体をごっそり捨てる。
その後、自分のロッカーを片づけつつ、そこに貼られた名札をはがし全ての整理が終わった時点で、段々と本当に自分はもう退職するのだなという実感が沸いてきた。
そう、もうここには自分の居場所は無いんだなぁと。


そんな退職日だが、会社の一部の人達が、自分のために送迎会を開いてくれた。
本当は、自分自身今の会社を退職することが非常に後ろめたく、その事実をあまり公にしていなかったのだが、そんな自分の意志とは裏腹に、非常に多くの人が参加する壮大な送迎会を開いて頂く事になったのだ。


最初は戸惑いながらも杯を交わしていたのだが、そんな雰囲気は時間が解決し、参加メンバーが揃った時点ではもう開き直った心情で皆と話がすることができた。
その中には、自分が去年末復職してからまともに言葉を交わしたことが無かった人達や、自分の今までの状態を理解していないながらも優しく接してくれる人達と、これまでのお互いの時間を埋めるかのごとく大いに語り合うことが出来たと思う。
そして何よりも、そんな機会を設けてくれた会社の人達には感謝の念で一杯である。
一言、本当に素直に「ありがとう」と言える気持ちにさせてくれた一時であった。


その後、勢いに乗ったメンバーで2次会のカラオケへ行くことに。
正直、自分が好き放題歌ったカラオケは前代未聞である位好きに歌わせてもらった。
自分主役万歳である。
後世こんな主役になれる日はそう多くは無いだろうと一人思う。


まぁそんなカラオケの席で、タカが外れたように暴れまくってしまった。
けれども、自分の陰鬱な部分をさらけ出し暗い雰囲気になるよりかは、ずっと前向きな雰囲気でその時間を過ごせたことはプラス思考に考えることができる。


今後、今会社に残っている人間が引き際を迎えた時、自分みたいな人間がいたなぁと思って頂ければ、それだけで本望である。
そんな、充実した時間を過ごせたことに素直に喜びを感じたいと思う。


2次会のカラオケ終了後は、終電の都合もありみんなにちゃんとした挨拶も出来ずにその場を去ってしまった事が唯一心残りだが、この場を借りてみんなにお礼を言いたいと思う。


入社してからずっと一緒に仕事してきた同期や、途中で辞めてしまった人達や、模範となるべく先頭に立って色々と指導してくれた先輩方や、中途採用で途中から一緒に仕事をした人達に、本当に素直に感謝をしたい。
「いままで色々と有り難うございました。」と。


そして一人での帰路の途中。
本来ならばカラオケで歌いたかった曲を聴きながら電車に揺られていると、なぜだかもう涙が溢れて仕方がない。
何も知らない車中の人が、涙を流す自分の姿を見ていたとしても、決してその涙を拭うことはない。
そんな心境にさせられる一曲をここで紹介。

サンボマスター/それでも構わない

すべて忘れて アイツのひからびた言葉だけが旨に残る そんな男
声を荒げて「新しい日々だよ」というけれど
その目には なぜだか涙が溢れている


ただ 今言えることは もしもこの弱い僕が
本当の日々ってヤツの意味をわかるのならば
涙は拭わぬ


それでも僕等はいつだって 汚さの前ではうつむいて
弱さの前で苦笑いしたりして
だけど決めたんだ もうやめたんだ
それでもかまわねぇ

(中略)

それでも僕等はいつだって 汚さの前では強がって
あなたの前でハラかかえて笑って
そんな日々なんだ だから捨てるんだ
それでもかまわねぇ
かまわないよ Baby♪


そして、誰もいない家路へと進む、そんな金曜日