イケナイ宝箱

イケナイ宝箱―ようこそ鬱の世界へ
読破。
一端読み始めたら止まらなくなってしまった。

著者の過去の病状が淡々とつづられているのだが、それを読むと同時に自分自身の過去も見直ことが出来たような気がする。
時に自分が本当に病状が悪く、初めてメンタルクリニックを訪れた日の事を思い出した。


今思えば、当時は身も心も本当にすり切れていた状態だった。
診察の待合室で1人ぽつんと座っていたとき、聞こえるか聞こえないか位微妙な音量でBGMが流れていた。
多分クラシック全集かなんか。
初めて訪れた診療内科で、何をどうしたらいいのか分からず自室呆然としているそのときに、BGMでハッペルベルの「カノン」が流れ出した。
聞こえるか聞こえない位だったはずの音量がは頭の中で大反響し、全身を振るわせ、気が付いたら涙がボロボロ流れていたという始末。


そんな事を思い返してみたり。
当時は音楽とか映画とか、それまで大好きだった鑑賞物に全く興味を示さなくなっていたのだが、感受性だけは残っていたのかなと今更ながら思ってみたり。