夕刻から面談開始。
面談といっても、そんなかたっくるしい物ではない。
担当のリクルーターとちょっとした雑談から会話を始める。


ところがこのリクルーター、一方に話しが終わらない。
こちらが一言二言はなすと、それに対し10倍くらいの量を話す。
面接対策の話なんてそっちのけである。


でも全く実りがなかったかといえば、そんなことはない。
他愛もない雑談から、リクルーターの身の上話まできたのだが、どうやらそのリクルーターの人も、ちょっと前までは鬱を煩っていたらしい。
その人の場合は発病の原因がはっきりしていて、長年連れ添った奥様が他界した事による物だったらしい。
半年ほど何もやる気が起こらず無職の期間を過ごした後、今のリクルーターの仕事に就いたらしい。


そんな人だから、今自分が仕事も決まらず無職でいる状態の気持ちはよく理解してくれている様子だった。
理解している上で、「大丈夫、病気は必ず直りますから、ちゃんと就職できますよ。」と励ましてくれた。
なんか病院のカウンセリングみたいな面談になってしまった。


面接に対する具体的な対策みたいな物はあまり相談できなかったが、面談を終え霞ヶ関のオフィス街を一人あるいていると、ちょっとだけ心が軽くなったような気がした。